自己啓発に夢中になったはずが、気づけば「もっと強くならなきゃ」と自分を追い込み、心をすり減らしていた──そんな経験から「本当の自己探求」が始まりました。
わたしを変えたくて、もがき続けた日々
あの頃のわたしは──ずっと探していた。
「このままじゃいけない」
「わたしを変えたい」
そんな気持ちが、心の底で疼いていた。
会社員として働きながら、メイク・カラー・服飾理論を学び続け、
「いつかこの技術で食べていけたら」と密かに夢見ていた。
けれど、学びを重ねるたびに、ある“違和感”も膨らんでいった。
技術の先に、心は置き去りにされていた
メイクスクールでは
「仕上がりのスピード」が最重視され、
どんな人にどんな想いで寄り添うかは、評価の対象外。
生徒たちは厳しい指摘に表情を固くし、
希望の技術が「正解のための訓練」にすり替わっていた。
パーソナルカラーも、骨格理論も、
「診断結果」が絶対のように扱われ、
“好き”や“らしさ”が切り落とされていく。
「ほんとうに、それでいいのだろうか?」
私は何度も自問自答していた。
さらに“足りないもの探し”へ
その頃の私はまだ「届ける力」がなく、
「もっとビジネスを学ばなきゃ」と焦っていた。
そんな時に出会ったのが、
「潜在意識でビジネスを成功させる」という言葉。
魔法のように思えたその言葉に惹かれ、
講座を買い、動画を繰り返し見た。
「女性がビジネスを成功させるには、父親との関係が重要」
──その一言に胸がざわついた。
亡き父へのわだかまりを抱えていた私は、
「これを解かないと夢は叶わないのだ」と信じ込んでしまった。
そこから、自己探求という名の“自己強化”が始まった。

学べば学ぶほど、空虚になっていった
セミナーを渡り歩き、有名講師の講座に申し込み、
「これさえ学べば変われる」と信じていた。
でも結局は、高額なプログラム契約で大きな損失を抱え、
信じたものに裏切られ、心もお金も尽き果てた。
「結局、また私はダメだった」
学んでも、満たされない。
変わろうとするほど、虚無感は深まっていった。
本当の問題に気づいた瞬間
ようやく分かったのは、
私は「わたしを信じていなかった」ということ。
誰かの言葉にすがり、誰かの成功法則をなぞるばかりで、
自分の声を聴くことをすっかり忘れていた。
だからこそ決めた。
「もう終わりにしよう。わたしを取り戻したい」
長く続けてきた会社員生活に終止符を打ち、
すべてを手放した私の胸に、静かに灯った小さな炎。
「もう一度、わたしとして生きてみたい」
ここから、“本当の意味での”自己探求が始まっていった。
まとめ
自己啓発は、私を支えてくれた。
けれど同時に、弱さを否定し「強くならなきゃ」と追い込む自己強化の鎧にもなった。
その鎧を脱ぎ捨てたとき、初めて“わたし自身の声”が聞こえてきた。
👉 第五話